あなたではないひとたちを苦しめつづける
それをくだいてかおじゅうににまぶしてほしい
ずうっと背後に居る
泥んこの女
惡霊にかじられたら
薄もみぢおちておくにまぼろしがゐる
どろにあだめく蜜柑
わたしはそれを鵜呑みにせざるをえなくなる
まなこ恐れてなまぬるい
美しいおんぼろ
昏いに棲み、秋を綴ぢる
あなたはかなしんだ
けれど名残惜しゐくらいが丁度好いのだとおもつた
しぬ瞬きに視る景色が此の世の果てなのではなく
しんだあとで此の世の果てをしるのでもなく
まさしく此の世の果てを通過したそのとき
あなたは行ったきり
ひめい
かたばみの蜜吸ふ瞼はやぶかれ
よるのすきまにちなまぐさいしらぬ存ぜぬを埋める
「いきたいところはあるけど みたいものはあるけど
この感情の浮き沈みにもうずっと耐えたくない」
なぐって好いよ
だってもうこれ以上なんて這ったって存在しない
なんにもないよ
ゆめのあとのここちは“死んでる”ににてるだけ
憑かれたから、しんでみたい
うつくしい感情はすっかり消費されて
わたしもう なんにも 憶いだせなくなる
恐ろしいくらいすきよ
(ここでわたしは獣の怒号を舐める)
わにのねどこに放られて
わたしはことばのうじむしをたべてる
蕾むあなたの怒ごうが恋いしい
そんなうねうねの愛着
あなたの眼球がくもるのをみがきつづけている
あなたを雁字搦めにしらない
花を盗みて
耽美でしにたい
蜜になり果つ
わたしはつきをひき摺り裂きたくなる
かわいくてすぐに膿む
なんにもいらない
ねだれば結構
じき褪める
ねむってしまおう
あなたの「冷えちゃうよ」
めめしさでみたてた幼い
あなたのこわねはきらきらと吸い込まれて
わたしの臓器のひとつひとつにこびりつく
そうしてふたりは夜るの背後に倒れて
てばなした瞬きのひどく穏やかなことを識る
いつかしぬのにね
のぞまずとも
のぞまないかたちでいつかしぬのにね
あたしなにやってんだろ
あなたも居ないし
さいあくだ